電網郊外散歩道

音楽、読書、コンピュータ、農作業などの記録。ブログ移転によりリンクが切れている場合は検索ボックスで調べてみてください。

-外国文学

バーネット『秘密の花園』を読む(3)

例年より数日遅れて桃の花が咲き、スモモやサクランボの花もようやく咲き始め、当地の果樹園は美しい季節を迎えております。英国ヨークシャー州のミッスルウェイト屋敷も、美しい春を迎えることができたようです。バーネット著『秘密の花園』(土屋京子訳、光…

バーネット『秘密の花園』を読む(2)

光文社古典新訳文庫で、バーネット著『秘密の花園』を読んでおります。物語は第2幕に相当する、ミッスルウェイト屋敷の秘密が徐々に明かになってくるところです。 第10章「ディコン」、第11章「ヤドリギツグミの巣」、第12章「地面を少しいただきたいのです…

バーネット『秘密の花園』を読む(1)

光文社の古典新訳文庫で、バーネット著『秘密の花園』を読みました。訳者は、土屋京子さん。古典的名作の翻訳にしばしば見られる、時代を感じさせる言い回しなどは見当たらず、ごく自然な訳です。 第1章「だれもいなくなってしまった」第2章「つむじまがりの…

角川文庫にマーク・トウェインの『アーサー王宮廷のヤンキー』を発見

2010年はマーク・トウェイン没後百年だそうで、各社いろいろな企画を出しているようです。そのおかげで、これまで絶版だったものが復刊されるものも出ている模様。たとえば、マーク・トウェイン『アーサー王宮廷のヤンキー』です。 写真は、左が昨年12月に、…

ロバート・ハリス『暗号機エニグマへの挑戦』を読む

やれやれ、ようやく起きられるようになりました。 雪かきでぎっくり腰になり、ほぼ寝たきりの生活を送る間に、ちょうど手近にあった新潮文庫で、ロバート・ハリス著『暗号機エニグマへの挑戦』を読みました。寝床のわきの積ん読も、ときに思いがけず役に立つ…

モンゴメリ『アンの愛情』を読む(4)

モンゴメリ作『赤毛のアン』シリーズ第三作『アンの愛情』、物語はいよいよ大詰めです。 第31章「アンからフィルへ」、第32章「ダグラス夫人のお茶」。夏休みの間じゅう、東部のバレー・ロードの学校で教えることを頼まれたアンは、ミス・ジャネット・スウィ…

モンゴメリ『アンの愛情』を読む(3)

モンゴメリ作の『赤毛のアン』シリーズ第三巻、『アンの愛情』を読んでいます。物語は中盤をすぎ、いよいよ佳境に入ってきました。 第21章「きのうのばら」、第22章「アン、グリン・ゲイブルスに帰る」。アンは、フィルと一緒に彼女の帰省先であるポーリング…

モンゴメリ『アンの愛情』を読む(2)

モンゴメリ原作『赤毛のアン』シリーズ第3巻、『アンの愛情』の続きです。引用及び表記は、村岡花子訳の新潮文庫によります。なに、訳文がどうこうという理由ではなく、文字のポイントが大きくて読みやすいからという、実に単純な理由です(^o^)/ 第11章「人…

モンゴメリ『アンの愛情』を読む(1)

モンゴメリ『赤毛のアン』シリーズ第3巻、『アンの愛情』を読みました。原題"Anne of the Island"、実は松本侑子訳の集英社文庫と、村岡花子訳の新潮文庫と、両方を読んでみたという、なんとも物好きな読者です(^o^)/ 第1章「変化のきざし」、第2章「秋の花…

コーンウェル『真犯人』を読む

もともと、天下泰平・人畜無害サイトである当ブログで、ケイ・スカーペッタという女性検屍官を主人公とするシリーズを四冊も記事にすることになるとは思いませんでした。パトリシア・コーンウェル著『真犯人』(講談者文庫)です。主人公や、彼女を助けるピー…

コーンウェル『遺留品』を読む

バージニア州の女性検屍局長、ケイ・スカーペッタを主人公とするシリーズ第三作、パトリシア・コーンウェル著『遺留品』(講談社文庫)を読みました。人畜無害の読者である当方(^o^;)には、毎回ハラハラドキドキの展開ですが、検屍に登場する生化学的な知識や…

ジュール・ヴェルヌ『気球に乗って五週間』を読む

音楽CDもそうですが、本もタイミングを逃すと入手が困難になってしまうものです。発売されることを承知していながら、当時の懐具合の問題で入手しそこねたものなど、後にたいへん口惜しく思い出されます。例えば、集英社の『ジュール・ヴェルヌ全集』。 『海…

コーンウェル『証拠死体』を読む

パトリシア・コーンウェルの前作『検屍官』を読み、特異な世界の特異な筋立てにおそれをなしていましたが、急に何を思ったか、第二作『証拠死体』も読んでしまいました。なんのことはない、『居眠り磐音江戸双紙』や『赤毛のアン』シリーズなどという世界に…

モンゴメリ『アンの青春』を読む(3)

モンゴメリ作『赤毛のアン』シリーズ(*1)第二作『アンの青春』を、松本侑子訳の集英社文庫で読んでいます。アヴォンリーの学校で教師生活をしているアンの日常は、派手な色恋沙汰とは無縁ながら、相変わらず愉快です。 第21章「すてきなミス・ラヴェンダー」…

モンゴメリ『アンの青春』を読む(2)

モンゴメリ原作の『赤毛のアン』シリーズ第2作、『アンの青春』を、松本侑子訳の集英社文庫で読んでいます。 第11章「現実と空想」第12章「ヨナの日」。小さい子供を教えるということの驚きと喜びを、子供の作文を通して手紙形式で描いています。おそらくこ…

モンゴメリ『アンの青春』を読む(1)

モンゴメリ原作の『赤毛のアン』シリーズ第二作、『アンの青春』(松本侑子訳、集英社文庫)を読み始めました。前作では、孤児のアンがマシューとマリラの兄妹に引き取られて成長し、クイーン学院に進学し奨学金をかち得るのですが、マシューの急死で運命がが…

モンゴメリ『赤毛のアン』を読む(4)

モンゴメリ作『赤毛のアン』(松本侑子訳、集英社文庫)の続きです。ギルバートと共にクィーン学院に進学したアンのその後は・・・。 第35章「クィーン学院の冬」第36章「栄光と夢」。クィーン学院で勉学に励むアンは、ギルバートを意識することはあっても、浮…

モンゴメリ『赤毛のアン』を読む(3)

モンゴメリ原作の『赤毛のアン』(松本侑子訳、集英社文庫)の続きです。 第23章「アン、名誉をかけた事件で、憂き目にあう」第24章「ステイシー先生と教え子たちの演芸会」。バリー家でのダイアナのパーティで、「できるものならやってみよ」ごっこが始まりま…

モンゴメリ『赤毛のアン』を読む(2)

東京行きの電車の車中、先日来読みかけ(*)だった、ルーシー・モード・モンゴメリ作『赤毛のアン』(松本侑子訳、集英社文庫)を読みました。 第11章「日曜学校の印象」第12章「おごそかな誓いと約束」。アンは日曜学校に出かけますが、形式的なところを率直に…

モンゴメリ『赤毛のアン』を読み始める

先日、娘が古いLDの「赤毛のアン」「続・赤毛のアン」を借りて行きましたので、話題の一つにと、モンゴメリの『赤毛のアン』シリーズを探し出しました。以前、購入していた、松本侑子訳『赤毛のアン』『アンの青春』(以上、集英社文庫)、そして先日購入した…

レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき女よ』を読む

ハヤカワ・ミステリ文庫で、レイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女よ』を読みました。前に読んだ『長いお別れ』が1953年の作品で、本作は1940年のものです。舞台はロサンジェルス。主人公の私立探偵フィリップ・マーロウは、セントラル街の博奕場で、1…

サム・リーヴズ『長く冷たい秋』を読む

ハヤカワ・ミステリ文庫で、サム・リーヴズ著、小林宏明訳『長く冷たい秋』を読みました。奥付の記録メモを見ると、実は前回の単身赴任時に購入し、読んだものです。風邪を引いて寝ている時に、床の中で何の気なしに読みはじめたら、止まらなくなってしまっ…

ジュード・デヴロー『時のかなたの恋人』を読む

タイムスリップするお話は、だいたいが実に都合良くできている、という共通点があります。酒場で喧嘩をして殴られたら中世のアーサー王の時代に飛んでいた(マーク・トウェイン『アーサー王宮廷のヤンキー』)とか、恋人に置き去りにされた悲しみに泣いていた…

チャンドラ『長いお別れ』を読む

ハヤカワ・ミステリ文庫で、レイモンド・チャンドラー著『長いお別れ』を読みました。なんでまた、珍しくミステリなど読んだのかと言えば、理由は単純で、藤沢周平が好んで読んでいたから、というもの(^o^;)>poripori なるほど、彫師伊之助シリーズと同類の…

パトリシア・コーンウェル『検屍官』を読む

ふだん、人畜無害を自称し、ホラー、スプラッタ、虐殺モノを苦手としておりますが、何を好きこのんで、犯罪と検屍の世界を描く物語を読むことにしたのか、われながら不思議です。たぶん、たまたま開いたページに、コンピュータのデータベースへの侵入だとか…

H.G.ウェルズ『宇宙戦争』を読む

SFの古典、H.G.ウェルズの『宇宙戦争』を読みました。角川文庫で、小田麻紀さんの訳です。おもしろい名前ですね、訳者「おだまき」さん。 むかし、子ども向けの物語全集にこのお話も入っており、火星人が触手を伸ばして地下室の中を探る場面などは、まるで自…

オルツィ『紅はこべ』を読む

創元推理文庫で、バロネス・オルツィ著『紅はこべ』を読みました。すでに何度か映画になっていそうな冒険活劇、映像は未見ですが原作は何度目かの読了です。 物語は1792年9月のパリ、フランス革命の後に荒れ狂ったギロチンの嵐の中を、ド・トゥルネー伯爵夫…

ヒルトン『心の旅路』を読む

先日、見えなくなっていたヒルトン作『心の旅路』を発見したことを記事にしました(*)が、茶色くなった古い角川文庫のページをめくりながら、ようやく読了しました。いくつか映画(*2)との違いを発見し、脚本のうまさと難しさを感じました。 第1部、筆者「わた…

デフォー『ロビンソン・クルーソー』を読む(3)

ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』の物語、前半は無人島での生活の建設と、聖書を媒介とした孤独な自省と対話です。 全くの一人ぼっちになってしまったとき、人はその孤独に耐えられるのだろうか、と思うことがあります。絶望のあまり、日々の…

デフォー『ロビンソン・クルーソー』を読む(2)

ダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』物語、子どもの頃は漂着した無人島での生活を作り上げる様子が好きでした。 まず、住居の建設です。はじめは多くの物資を積み上げ、雨風をしのぐだけの帆布テント生活でしたが、海の見える台地の一角に住居を…