電網郊外散歩道

音楽、読書、コンピュータ、農作業などの記録。ブログ移転によりリンクが切れている場合は検索ボックスで調べてみてください。

-宮城谷昌光

宮城谷昌光『呉漢』(上・下)を読む

風邪を引いて寝ていた間、宮城谷昌光著『呉漢』(上・下)を読みました。 宮城谷昌光著『呉漢』(上・下) 9月7日撮影 寝床で読みましたので、備忘録メモに気づいた点を書き留めることはできませんでしたが、たいへん面白く読みました。農民出身の呉漢は、自然と…

妻の手術が終わる〜最近読み終えた本から

長時間にわたる妻の手術はなんとか終わり、よく頑張ってくれました。執刀医はじめ医療スタッフの皆さんの努力は、本当に頭が下がる思いです。 ◯ 入院前後から手術までの期間、風邪で体調が悪かったこともあり、おとなしく寝床で本を読む日が続きました。新し…

宮城谷昌光『公孫龍』巻2「赤龍篇」を読む

新潮文庫の5月新刊で、宮城谷昌光著『公孫龍』巻2「赤龍篇」を読みました。中国の戦国時代、周王朝の末期に、宮廷内の陰謀で命を狙われた王子稜が公孫龍と名前を変えて商人になっています。趙の恵文王やその弟の東武君、また燕の昭王の信頼を得て、燕と趙の…

宮城谷昌光『公孫龍』巻1「青龍篇」を読む

令和6年4月刊行の新潮文庫で、宮城谷昌光著『公孫龍』巻1「青龍篇」を読みました。実際は購入後2冊を通読しており、二度目の読了ではあるのですが、記事にするのは初めてですので再読とはせずに読了記事としたものです。 周の王子稜は、腹黒い陳妃の陰謀によ…

宮城谷昌光『公孫龍』1〜2巻を通読し、少しずつ再読中

先日、お出かけの際に購入してきた文庫本で、宮城谷昌光著『公孫龍』第1巻と第2巻を、先日読み終えました。今のところの印象は、主人公が強すぎる!というのと、楽毅が登場するけれどあまりいきいきとは描かれていない、くらいでしょうか。あくまでも楽毅は…

宮城谷昌光『呉越春秋・湖底の城(九)』を読む

講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋・湖底の城(九)』を読みました。2018年9月刊ですから、ほぼ半年遅れ、前巻を読んでからはほぼ一年ぶりです。 呉に捕らえられて忍従生活を送る越王勾践が解放される日を望みながら、范蠡と諸稽郢の二人は呉王への…

宮城谷昌光『呉越春秋〜湖底の城(八)』を読む

講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋・湖底の城』第八巻を読みました。2017年9月刊の第1刷で、現時点での最新刊です。 越王・勾践が立てた大戦略を、若い呉王の夫差を支える宰相は洞察することができませんが、伍子胥は見抜きます。呉王が越を後略す…

宮城谷昌光『呉越春秋 湖底の城(七)』を読む

講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋 湖底の城(七)』を読みました。2016年9月刊行と奥付にあり、当方にはまだ発行間もない印象です。第6巻で予想した(*1)とおり、第7巻は越の側から描かれるようになります。始まりは「将来の妻」の章から。 魯の国で…

宮城谷昌光『呉越春秋・湖底の城(6)』を読む

講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋・湖底の城(六)』を読みました。雑誌「小説現代」の2014年8月号から2015年8月号まで掲載され、同年9月に刊行されていますので、ほぼ1年後に読了したことになります。同じペースであれば第7巻が刊行されている頃で…

宮城谷昌光『呉越春秋~湖底の城(5)』を読む

先日、某図書館で宮城谷昌光著『呉越春秋~湖底の城(五)』が入っているのを見つけ、借りてきて読みました。前巻はいつ読んだのかを調べて見ると、昨年(2014年)の1月(*1)となっていますので、約1年ぶりに続巻を読んだことになります。どおりで、脇役の名前が…

宮城谷昌光『楽毅』を再読して

宮城谷昌光著『楽毅』は、新潮文庫で四巻からなる長編です。いちばん最初に読んだ時(*1)は、要するに名将の軍事の物語であって、為政者としてよりも将軍としての事績が主となっており、将軍の活躍の前提条件は命じる王の理解と支持であることから、それほど…

宮城谷昌光『香乱記(四)』を読む

新潮文庫で、宮城谷昌光著『香乱記(四)』を再読しました。この巻は、欺かれ滅んでいく姿が描かれる悲劇的な内容だけに、なかなか重いものがあります。出張先に携帯し、車中や空き時間に読みましたので、田横らが甘受する運命を悲しみながら、ページを追うこ…

宮城谷昌光『香乱記(三)』を読む

新潮文庫で、宮城谷昌光著『香乱記』第三巻を再読しました。季桐を救出するため忍び込んだ臨済の城を舞台に、物語は始まります。 「斉王の席」 臨済の城は、二十万の秦軍に囲まれ、魏王とともに田横らは脱出の機会を失います。斉王・田憺の率いる斉軍が救援…

宮城谷昌光『香乱記(二)』を読む

新潮文庫で、宮城谷昌光著『香乱記』第二巻を読みました。 「二世皇帝」 この章では、李斯が趙高の陰謀の裏をかき、蒙恬将軍と太子扶蘇に知らせようとしますが、趙高のほうが一枚上手でした。使者の岸当と展成は幽閉され、扶蘇は自裁し、蒙恬将軍は捕えられ…

宮城谷昌光『香乱記(一)』を読む

宮城谷昌光著『香乱記』は、何度か取り上げようとしましたが、そのたびに読む方に夢中になり、これまで記事にまとめることができませんでした。このたび、三度目か四度目の読了を経て、ようやく記事にしてみようかと思った次第。 ○ 秦の始皇帝が中国を統一し…

宮城谷昌光『『呉越春秋~湖底の城(4)』を読む

講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋~湖底の城(四)』を読みました。楚王に父と兄を殺された伍子胥が、楚の太子の子である勝を救い、呉で暮らしていますが、この巻では、公子光の信頼を得て呉王へのクーデターに協力する話です。 冒頭は、伍子胥が斉…

宮城谷昌光『楚漢名臣列伝』を読む

文藝春秋社の単行本で、宮城谷昌光著『楚漢名臣列伝』を読みました。項羽と劉邦を中心に語られることが多い、秦の崩壊後の時代を、彼らを支えた名臣たちを通して描くものです。 本書の構成は、次のとおり。 楚漢の時代 張良 笵増 陳余 章邯 簫何 田横 夏侯嬰…

宮城谷昌光『呉越春秋~湖底の城(3)』を読む

講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋~湖底の城』の第三巻を読みました。講談社刊の単行本で、雑誌「小説現代」に連載中のものです。本巻は、楚王と費無極の奸計により、父・伍奢と兄・伍尚が斬首されることとなった刑場を、伍子胥とその配下の者た…

宮城谷昌光『呉越春秋~湖底の城(2)』を読む

講談社刊の単行本で、宮城谷昌光著『呉越春秋~湖底の城』の第二巻を読みました。今のところは、楚の高官である伍奢の次男、好漢・伍子胥の物語です。 兄の伍尚が邑主として政治を行っている棠で、伍子胥は永翁を襲撃しようとした海賊の手先を捕えます。しか…

宮城谷昌光『湖底の城(1)~呉越春秋』を読む

宮城谷昌光著『湖底の城~呉越春秋』第一巻を読みました。先に同氏の『草原の風』を読んだ際に、主人公が伍子胥(ごししょ)は好きだが終わりがわるい、やはり范蠡(はんれい)がよい、というような評価をしておりました。これをきっかけに、伍子胥や范蠡という…

宮城谷昌光『楽毅(四)』を読む

新潮文庫で、宮城谷昌光著『楽毅』第四巻を読みました。 趙国内における沙丘の乱により主父が死に、楽毅は迷いを捨てて魏に移ります。首都の大梁において、法家の一人である李老子の門に入ります。「武のみに生きることにむなしさをおぼえました」という楽毅…

宮城谷昌光『楽毅(三)』を読む

新潮文庫で宮城谷昌光著『楽毅』第三巻を読みました。表見返しに折り込まれた地図が、前巻までは中山と趙が中心だったのに、この巻では二つ折りと大きくなり、古代中国全体が描かれています。楽毅の活躍が、いよいよ広がっていく巻です。 燕の昭王とその臣下…

宮城谷昌光『楽毅(二)』を読む

新潮文庫で、宮城谷昌光著『楽毅(二)』を読みました。物語は、趙の武霊王によって三方から攻められた中山王が、四邑を献じて趙と講和を結ぼうとします。楽毅は、父の喪中であるにもかかわらず使者として趙に向かうように命じられます。中山王は太子の死を画…

宮城谷昌光『楽毅(一)』を読む

風邪で寝込んだ床の中で、宮城谷昌光著『楽毅(一)』を再読しました。 戦国時代の中期、中国が統一される前に、河北に中山という国があり、宰相の子・楽毅は斉の都である臨淄に学びます。下級役人である田氏を友とし、孫子の兵法や季梩の法などを修めつつ、本…

「もともとそういう人だったのだろう」という見方

このところ、宮城谷昌光作品を一気に再読しています。なかなかおもしろいです。 ところで、項羽と劉邦の二人については、乱暴で戦に強い項羽と、戦は弱いが人徳のある劉邦という見方が通り相場なのでしょう。ところが劉邦は、偉くなると昔の仲間を次々に粛清…

宮城谷昌光『管仲』下巻を読む

文春文庫で、宮城谷昌光著『管仲』下巻を読みました。運命のいたずらで敵味方に分かれることとなってしまった鮑叔と管仲が、斉の君主を覇者とするまでを描きます。 斉の老王が逝去し、太子諸睨が即位して襄王となります。ところがこの王は、どうもあまり出来…

宮城谷昌光『管仲』上巻を読む

文春文庫で、宮城谷昌光著『管仲』の上巻を読みました。記録によれば、初読は2005年の冬、2月に図書館から借りてきた単行本でした。この文庫本は2006年11月に読了とありますので、ほぼ7年ぶりの三読め。上巻は、恵まれた貴族の子である鮑叔(ほうしゅく)と不…

宮城谷昌光『草原の風』(下巻)を読む

新聞小説として連載されていたものが単行本化された、宮城谷昌光著『草原の風』の下巻を読みました。奥付を見ると、2011年の12月に中央公論新社から刊行された初刷ですので、もう二年近く経つことになります。早いものです。この間、たしか三読くらいにはな…

宮城谷昌光『草原の風』(中巻)を読む

挙兵した劉エン(糸寅)と劉秀の兄弟に、一族から加わる者も出て、漢王室の再興を願う動きがいよいよ具体化し始めます。宮城谷昌光著『草原の風』(中巻)は、大激動の幕開けです。 王莽政権打倒のためとはいえ、略奪を繰り返す賊たちと組んだことが正しかったの…

宮城谷昌光『草原の風』上巻を読む

中央公論新社刊の単行本で、宮城谷昌光著『草原の風』上巻を読みました。正確に言うと初読ではなく、三読くらいかと思います。上巻は、後漢の名君・光武帝の若い時代を描く、気持ちの良い物語です。 劉邦の末裔である蔡陽の劉氏の末弟・劉秀は、父の死後、家…