-藤沢周平
新潮文庫で、藤沢周平著『神隠し』を読みました。昭和54年に刊行された短編集を文庫化したもので、時期としては直木賞受賞後に発表されたもののようです。ごく短いものが多く集められており、後年のものよりも、未発表初期作品集に収録されたものとの親近性…
文春文庫の藤沢周平著『闇の傀儡師』下巻は、「春の雷鳴」の章の続きから始まります。 自裁した亡妻織江と行方不明の都留という二人姉妹の父親が、娘を探して源次郎のもとを訪れ、織江は諦めたが都留は助けてくれと言い残して行きます。源次郎は、八嶽党の一…
文春文庫で、藤沢周平『闇の傀儡師』上巻を読みました。物語の始まりは、江戸城二の曲輪内、一橋邸での密談から。非常に緊張感のある会話です。ここで暗示されるのが、一橋民部卿と田沼意次が組み、松平上総介(定信)が話題になっていること、そして八嶽党と…
去る12月20日に、NHK-TVで藤沢周平原作の時代劇「花の誇り」(*)が放送されましたが、当方は所用があり、残念ながら観ることができませんでした。おそらく再放送があると思いますので、楽しみに待ちたいと思います。 ところで、藤沢周平作品がTVや映画に取り…
藤沢周平の随筆は、ごく真面目なものもあれば、少々はにかんだようなもの、あるいはごくユーモラスなものなど、たいへん面白いものです。文春文庫の『小説の周辺』には、藤沢ファンには実に興味深い文章が収録されています。たとえば、初期の暗い内容の小説…
新潮文庫で、武家もの短編集『冤罪』を再読しました。奥付を見ると、"Read through, January 31, 2004" とありますので、前回の読了から4年と9ヶ月が過ぎています。本作は、藤沢周平が会社づとめをやめて、作家として独立した昭和49年~50年頃の作品を集めた…
思い込みというのはあるもので、藤沢周平の代表的な市井もの、お気に入りの『橋ものがたり』を、すでに取り上げたとばかり思っておりました。ところが、ふと検索してみたら、書名としては登場するものの、まだ一度も記事にしていないことが判明。この機会に…
新潮文庫で、藤沢周平著『ささやく河~彫師伊之助捕物覚え(3)』を読みました。5年ぶりの再読です。文章のうまさにあらためて感心させられる、大江戸のハードボイルドな物語、始まりは小間物屋の主人が島帰りの老人を誘う場面から。二人の過去の関係がほのめ…
藤沢周平のハードボイルド・ミステリー時代小説(?)第2弾、彫師伊之助シリーズの続きで、『漆黒の霧の中で』を読みました。伊之助は、相変わらず彫藤で版木彫り職人を続けています。おまさとの関係は進展していますが、残念ながら一緒の所帯を持っているわけ…
藤沢周平『消えた女~彫師伊之助捕物覚え』を読みました。ほぼ五年ぶりの再読です。いや~、やはり面白いです! 藤沢周平が生まれ育った土地柄は漢学や素読といった雰囲気でしょうから、時代小説作家と欧米のハードボイルドなミステリーとの接点がどのへんで…
山形新聞社は、藤沢周平没後十年を記念して、昨年一年間、特集を企画しました。同紙夕刊に掲載された記事内容はたいへん充実したもので、新しい発見も多く、連載を毎回楽しみにしておりました。当「電網郊外散歩道」でも、そのつど記事にしておりますが、せ…
藤沢周平の没後10年の記念に、地元山形新聞に昨年一年間連載された藤沢周平没後10年特集記事が、ようやく単行本になった(*)ようです。 これまでも、藤沢周平の手紙や没後10年シンポジウムなど、折々に話題にしてきましたが、この価値ある連載を単行本で一気…
藤沢周平は、音楽について、マニアックな嗜好を示したことはなさそうです。心に留まった音楽を、好んで繰り返し聴いていたようです。家族の記憶では、スティーヴィー・ワンダーの「心の愛」がお気に入りのようだったとか。そんな中で、クラシック音楽では、…
少し前のことになりましたが、ゴールデン・ウィークの終わりに、山形市嶋地区に先ごろオープンした複合型施設「ムーヴィー・オン山形」で、藤沢周平原作、篠原哲雄監督による映画「山桜」の先行上映を観て来ました。こちらは八文字屋山形北店が隣接し、無料…
新潮文庫で、藤沢周平の『霜の朝』を読みました。全部で11の短編を集めた作品集で、昭和56年に、蒼樹社から刊行されたものの文庫化ということです。 第1話「報復」、たいへん印象的な作品です。仲睦まじく理想的な武家夫婦を敬愛していた下男の松平が、理不…
読売新聞に、藤沢周平に関する連載記事が掲載されているようです。筆者は、作家の母校でもある、山形大学の山本陽史先生。山形大学が「藤沢周平の山形」という特別プロジェクトを組み、読売新聞社が共催する関係で、インターネットでもヨミウリ・オンライン…
単身赴任のアパートでは、インターネット接続もまだ開通せず、ノートパソコンに接続した小型スピーカで音楽CDを聴くか、手元に準備した数冊の文庫本を読むくらいしか、当面は楽しみがありません。新潮文庫『竹光始末』に収載された6編は、いずれも下級武士や…
去る12月9日に行われた、「没後10年、藤沢周平の魅力を語る」シンポジウムについては、先日12月19日(水)付けの山形新聞に、その内容が大きく掲載されました。さすがに報道と編集のプロだけあり、発言内容を過不足なく要約してまとめ、見開きの紙面におさめて…
パネルディスカッションが佳境に入った頃、蒲生さんが「学生時代の藤沢には、郷里に恋人がいるようだと、小野寺君は知っていたようだ(*)」と話します。 桐咲くや 掌触るるのみの 病者の愛 汝を帰す 胸に木枯 鳴りとよむ 汝が去るは 正しと言ひて 地に咳くも …
「没後10年、藤沢周平の魅力を語る」シンポジウム、後半はパネル・ディスカッションです。パネリストは、作家の高橋義夫さん、早稲田大学名誉教授で文体論の中村明さん、宮城学院大学名誉教授で藤沢周平と同級生だった、蒲生芳郎さんの三名、コーディネータ…
去る12月9日(日)、山形市のAZ七日町、山形市中央公民館の6階ホールにて、山形新聞社が主催する「没後10年、藤沢周平の魅力を語る」というシンポジウムが開かれました。前々から楽しみにしておりましたが、当日はAZの駐車場が混み合っていてなかなか入れず、…
藤沢周平の本は、自分の手元に置きたいので、できるだけ自分で購入するようにしておりますが、これは珍しく図書館から借りて来た、文藝春秋社刊の短編集。いずれも昭和58年から平成2年ごろ、『週刊小説』『小説宝石』に掲載されたものだそうです。平成6年に…
NHKの木曜時代劇「風の果て」第8回を観ました。帰宅が遅くなる予定でしたので、最終回の今日はばっちりと録画の準備をしていたつもりでしたが、なんと大ポカ(*)をやらかしていたことに気づいて愕然!それでも、帰宅したのがちょうど果し合い後に自宅で握り飯…
NHKの木曜時代劇「風の果て」第7回、たいへん面白く観ました。「果し状」という題名なのに、まだ最終回ではない。では、最終回はどうなるのだろうと懸念しましたが、実際の番組は、原作ではいたってさらりと流している、失脚後の杉山忠兵衛の動きや後任の家…
NHKの木曜時代劇「風の果て」も、いよいよ第6回となりました。愛読している藤沢周平原作『風の果て』との、若干の相違点を承知しながらも、コマーシャルの入らない連続テレビドラマの良さを感じております。 桑山隼人改め桑山又左衛門は、太蔵ヶ原の開墾に成…
来る12月9日の日曜日、午後1時半から、山形市七日町の通称「アズ七日町」こと山形市中央公民館6Fホールにて、『蝉しぐれ』が連載されていた山形新聞が主催する、「没後10年 藤沢周平の魅力を語る」というシンポジウムが開かれる予定です。 パネリストは、作…
藤沢周平原作によるNHK木曜時代劇「風の果て」、第5回「政変」を観ました。最初の10分くらいを見逃してしまいましたが、あとはなんとか観ることができました。 番組の公式WEBサイトでは、第5回のあらすじを次のように紹介しています。 隼太(佐藤浩市)は市…
藤沢周平『風の果て』は、太蔵が原に水を引き、5000町歩の稲田を拓く話が背景になっています。太蔵が原は、水さえ引ければ豊かな実りが約束されているのですが、うかつに水路を引くと、鉄砲水を引き起こし、災害の元になってしまいます。そのために、オラン…
先週は残念ながら前半を見逃してしまった木曜時代劇「風の果て」ですが、昨日は万難を排して夜7時前に帰宅、DVDに録画をしながら観ました。 今回のあらすじを、番組ホームページでは、 妻の満江(石田えり)が出産間近の夜、桑山隼太(佐藤浩市)は杉山忠兵…
先週、結局ほとんど見逃してしまった木曜時代劇「風の果て」第3回「春雷」ですが、DVDに録画できた最後の部分だけ、ちらりと見ることができました。 NHKの本番組ホームページ(*)によれば、 第3回「春雷」(11月1日放送予定) 太蔵が原の開墾が始まり、桑山隼…