電網郊外散歩道

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スズメバチの季節

夏の終わりから秋にかけて、スズメバチの季節になる。この時期、特に9月から10月には、羽化したスズメバチの個体数がピークを迎え、攻撃性も戦闘力も最大となる。したがって、キノコがはえるような環境を持つ里山やその周辺では、スズメバチに対する充分な注意が必要である。
実は、わが家でもスズメバチが何度か巣を作ったことがある。たいていは土蔵の通路裏側の換気窓周辺に巣を作ることが多く、近付かない限りは攻撃されることもない。しかし、子どもの好奇心は旺盛で、見慣れないものがあると、つい石を投げたりつついたりしたくなる。真黒になって襲来するスズメバチの群れは、子供時代の恐怖体験として今も残っている。当時、目の上を刺されてはれ上がり、お岩さん状態になったことが、今も語りぐさになる。
先年、母屋の換気孔からスズメバチが入り込み、屋根裏に巣を作ったことがあった。さすがに共存共栄を図る善意はなく、市役所に相談したところ、駆除を請け負う人を紹介してくれた。この人、瓢々とやってきたはいいが、何も装備らしいものはない。大丈夫なのかという心配をよそに、麦ワラ帽子にネットをたらし、雨ガッパにゴム手袋、ゴム長靴といういでたちで、殺虫剤のスプレーだけを手にして天井裏からはいあがり、大きなポリ袋に巣ごとごっそり持ち帰って来た。全く刺されていないという。スズメバチの針が通っても自分の手に達しないよう、ポリ袋の口の折り返し方にコツがあるそうだが、袋の中には生きたスズメバチがたくさん、ぶんぶん動いている。ぞっとする光景だ。
お茶をごちそうしながら、その秘密を聞いた。スズメバチの飛翔力は高く、殺虫剤のスプレーを噴射したのでは間に合わないと言う。しかし、麦ワラ帽子や頭部をおおうネット、雨ガッパにゴム手袋、長靴まで、くまなく殺虫剤を噴霧し、においをぷんぷんさせている限り、攻撃して来たスズメバチはみな回れ右をしていくのだという。なるほど、逆転の発想である。防御は最大の攻撃を可能とする、というわけだ。
スズメバチの季節には、殺虫剤のにおいをぷんぷんさせた作業着を着て仕事をする。攻撃の目標となる黒い衣類は避け、頭部は外部に出さない。これは、スズメバチ対策の基本ではないかと思う。