日本語でパソコンを快適に使うには、米国の標準とされているメモリの倍を準備すればよい、というのが長年の当方の経験則でした。これ、実は Windows 上で仕事をするにはかなり大切なポイントで、コンピュータ選びの際の第1条件に入れてもいいくらいのものだと思います。では、Windows10 で使っていたパソコンが Windows11 の条件に適合せず、Linux で使えないかを検討している、というような場合、具体的にどのくらいのメモリがあればいいのか、また必要なのか。このへんの情報が意外と少ないように思います。
私の場合、メインPCは2016年に購入した hp(ヒューレットパッカード) 社の Pavillion 550-240jp/CT というデスクトップ機で、メモリは 16GB です。購入当時は Windows10 の時代でしたので、8GB の製品が主流でしたが、さらに 8GB を追加して 16GB で購入したもので、当時は少々贅沢な印象を与えたかもしれません。
使い方としては、LibreOffice でワープロや表計算を使い、Vivaldi や Chromium でWEB閲覧、Gimp でデジカメ写真をちょこちょこと編集したり、Rhythmbox で音楽ファイルを再生し USB 経由で簡易な PC-audio を楽しむなどです。LibreOffice は表計算とワープロを同時に立ち上げて複数の表計算ワークシートを広げ、タブは5〜6枚はある、というような状況が多いです。あるいはブラウザを立ち上げて「はてな」と「goo」と両方のブログ管理画面を開き、ブックマークした5〜6箇所のブログを同時に参照・閲覧することが普通にあります。しかも、音楽を再生しながら Gimp で写真をリサイズしシャドウイングしたりします。こうした「同時並行作業」にはある程度のメモリの余裕が必須のようで、現在の Ubuntu 24.04 LTS ではなんとかできています。
もう1台、2013年型のサブノートパソコン Lenovo ThinkPad Edge E130 (RAM:8GB) を Ubuntu 22.04LTS で使っていますが、こちらはもっぱら外出して LibreOffice Impress でプレゼンを行ったり旅行先でメールチェックやブログ閲覧などの軽い用途に用いるだけですので、今ではもうかなり古いハードと 8GB のメモリですが、なんとか間に合っています。

では、私の個人的な条件での判断ではなく、ある程度は客観性のある条件というのはどの程度なのか。先日、ZDnet でまさにそのものズバリの記事を見つけました。
これによれば、私の基準でほぼ間違いはないようで、さらに画面がビュンビュン変わるようなハードなゲームをする場合は 32GB あるといい、ということのようです。なるほど。Windows11 の要求する性能には届かなくても、まだまだ使えるコンピュータがあるのなら、Linux が現実的な選択肢になりつつある時代、いや、すでになってきている時代、なのかもしれません。