2月の演奏会は発熱のため欠席しましたので、3月16日(日)、しばらくぶりの山響こと山形交響楽団の定期演奏会です。例年通り、この回はやっぱり駐車場がいっぱいで、奥の手の霞城セントラル屋内パーキングに車を停めました。ここからならば、雨降りにもかかわらず濡れずに山形テルサホール前まで歩くことができ、最後のところだけ、満車の屋外駐車場をさっと突っ切って会場へ入ります。
今回のプログラムは、
というもので、指揮は鈴木秀美さんです。
開演前の西濱事務局長と鈴木秀美さんのプレトークは、上方漫才のようなおかしみがありますが、特に印象的だったのは万華鏡の話でした。1816年に万華鏡が発明されて1817年には特許が認められ、大流行して大人たちを魅了したらしいです。シューベルトも夢中で万華鏡を覗いている戯画があるそうなので、どうも相当の熱の入りようだったようです。で、シューベルトの交響曲の突然の変化、移ろいはこの万華鏡の変化のようだとの考え方でとらえてみよう、ということのようです。
さて、楽器編成とステージ上の配置は次のとおりです。


Fl(2), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hrn(2), Tp(2), Timp. に 8-7-5-5-3 の弦楽5部。典型的な二管編成、ただし Hrn と Tp はナチュラルタイプを使用しているのが特徴的で、山響らしさでしょう。
1曲め、ベートーヴェンのバレエ音楽「プロメテウスの創造物」から、序曲と第3曲、第15曲、第16曲(終曲)を組曲風に取り上げたものです。序曲は耳にしたことがありますが他はたぶん初めて。でも第16曲「フィナーレ」では交響曲第3番「英雄」の第4楽章のテーマが流れるなど、たいへん興味深く、また気持ちよく聴きました。
2曲め、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の第4番。独奏者の仲道郁代さんはピンクゴールド?のドレスで優雅に登場、私が若い頃だったらたぶんポーッとなっただろう(^o^)ステキなピアニストです。仲道さんは、著書の中で、第1楽章の冒頭、ピアノのあの魅力的な始まりの後にオーケストラが演奏する間、「自分がいかに下手に弾いたかを反芻させられるのがとてもつらい」というエドウィン・フィッシャーの言葉に同感していた(*1)のを読みましたが、いやいやそんなことはありません。ホール内の聴衆にベートーヴェンの響きが優しく届いたと思います。弦楽と木管(Flは1人)、ナチュラルタイプの金管とが響きあうオーケストラの音は実に気持ちの良いもので、メリハリのきいた指揮のもと、この大好きな音楽を堪能できました。
ここで15分の休憩があり、なんだか暑すぎるホールの暖房に辟易してか、皆さん上衣を脱いで熱を逃していたのが印象的。たぶん、ホールを早く暖めようと「強」にしていたのを、ホールスタッフが忘れてそのままにしちゃったんだな(^o^)/ ありえないミステイクが実際に起こってしまうのが人の常ですからね〜(^o^)/
休憩の後の後半、第3曲めはシューベルトの交響曲第6番です。第1楽章:アダージョ、アレグロ。第2楽章:アンダンテ。第3楽章:スケルツォ、プレスト〜ピウ・レント。第4楽章:アレグロ・モデラート。私の場合、この曲は2015年の第249回定期(*2)で高関健さんの指揮で聴いていますし、実はスイトナー指揮のシューベルトの紙箱交響曲CD全集でもけっこう聴いています。作曲家が当時流行していたロッシーニの影響を受けながら、もう一度ベートーヴェンに立ち戻った曲という認識でいましたが、そういう大きな流れはともかくとして、「万華鏡」に夢中になっていたシューベルトが話題のキラキラした変化を意識したとすればあり得ただろう音楽的な試みがたしかに面白いです。そして、ここでもナチュラルタイプの金管やバロックティンパニの採用が、バランスのために音量を抑えすぎないことから輝かしい響きやいきいきとした表情を生み出していると感じます。
演奏が終わると短く「ブラーヴォ!」の声が飛びました。写真は聴衆の拍手を受ける指揮の鈴木秀美さんと山響の皆さんです。

古くからの山響団員の蜂谷ゆかりさんが定年ということで、花束贈呈が行われました。40年か〜。一応の区切りということで、まだまだお元気でご活躍いただきたいと思います。
※私の場合、非常勤を含めると完全リタイアまで46年だったなあ。いや、果樹園農業は依然として現役続行中か(^o^)/
前半、暖房がちょいと効きすぎていたのを除けば、今日も良い演奏会でした。駐車場から車を出し、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を聴きながらご機嫌で運転して帰りました。夕方の明るさは、季節がたしかに春に移行していることを感じさせるものです。新シーズンも健康で山響定期を聴いていきたいものです。